0.前提を理解する
Webデザイナーとは、依頼主(クライアント)から注文を受けて、依頼主が欲しい製作物を具現化する職業である。
Webデザイナーはアーティストではないので、クライアントが欲しいもの以外を作っても意味はない。
Webデザイナーは、クライアントが何が欲しいか判らない場合(よくある)、適切な会話スキルの元、何が欲しいのかを浮き彫りにしないとならない。
Webデザイナーが製作する製作物は、単純なカンプ(jpegなどの一枚絵)から、コーディング、CGIやFlashなど、注文によって異なる。
沢山の事がセンス良く出来るWebデザイナーは、色々な仕事を請け負う事が出来る。
出来る事の少ないWebデザイナーは、出来る仕事が少ない。
あなたはWebデザイナーになりたい大学生である、と仮定した時、
恐らく以下9つのステップが必要になる。
1.コレを買って読む。
まずデザインそのものの基礎を知る必要がある。
本屋さんに行くと「○○風の素材の作り方」をまとめたアイディア本が沢山あるし、
「○○なサイトの作り方」という本も沢山あるが、それは国語で言えば四字熟語や諺みたいなもので、
即時性はあるのだけど、それに頼っていると応用が効かなくなる。
コレは、国語で言えばひらがなや漢字のドリルに近い。読んですぐに使えるものはごく少数だが、
後からひとつひとつの判断が正確になる。
システム屋にとっての初級シスアド、もしくは基本情報処理試験みたいなものだと思えばいい。
この基礎がないと、クライアントの千変万化する要求にこたえられる地力がつかないと思う。
2.自分がよく行くお店のホームページをHTMLで作ってみる。
Webデザイナーとしての基礎を覚える必要がある。
HTMLは出来れば手書きがよいが、ホームページビルダーなどがあればそれを覚えてもよい。楽になる。
商用のホームページには大きく分けて「宣伝用」と、「販売用」の二つのページがある。
販売用は敷居が高いので、まずは宣伝するホームページを作ってみる。
よく行くお店のホームページを作る時は、同業他社のホームページを参考にする。
3つほど見比べてみれば、どのホームページにも共通するメニューと、そのページ独特なメニューがあるはずなので、「何故このメニューは必ずあるのか」の理由を考えながら、ホームページを作ってみる。
どんなメニュー、画像をどのように並べれば美しく見えるかは、ノートにラフ書きをしながら考えていく。
必要な素材、画像などは、素材サイトを検索して借用する。
その際、複数の素材サイトをはしごすると統一感が無くなるので、少ないほうがよい。
上記のノウハウが書いてある入門本としてはコレがお勧め。定評がある。
3.レンタルサーバーを借りる。
FTPについて理解をする必要がある。
今後、ステップ1の製作物を確認する為や、色々な実験をしたりする為には避けて通れない。
無料レンタルサーバーのサービスもあるが、Webデザイナーになりたいのであれば自分で有料レンタルサーバーを借りること。
年間ある程度のコストが掛かってしまうが、これは覚悟と共に割り切ること。とりあえずあれば便利。
安価でサポートが充実しているレンタルサーバー会社といえば、やっぱりココ
大体の言語は使えるし、特にヘルプドキュメントが非常に充実しているので安心。
ドメインは好きにしてよいが、一生ものなのでよく考えること。レンタルする容量は最小プランで大丈夫。
3.5.スタッフ日記をMovableTypeで作ってみる。(やらなくてもいいけど、やっとくと身になる)
CMSについて理解をする必要がある。
この時点でSNSやブログをやった事がない人は、とりあえず適当にブログを開設して使ってみる。
MovableTypeの技術的なノウハウは適当に本を買って覚える。色々な本が出ているので自分にしっくり来るものを選ぶ。
ブログを作る時も、やっぱり同業他社のブログを参考にすること。
どんなカテゴリーがあるのか、どんな記事が面白いのかをしっかり見ておくこと。
「こんな風にしたら面白いだろうな」「こんな機能があればいいな」というのが固まったら、とりあえず作ってみること。やっぱり止めたと心を折らないこと。
作る際にはこちらのサイトを参考する。ここ以上のMT関連の情報サイトはあまりない。
とりあえずデザインはStyleCatcherでOK。
でもCSSは適当にいじって理解しておくこと。
4.そろそろFlashを購入して、TOPページ用のフラッシュを作る。
お手軽なゴージャスさを実現する為に、Flashを習得する必要がある。
FlashはAdobe社が提供している有料ソフトだが、大学生なら1万円前後で購入出来るのでヨドバシ辺りでポイントと合わせて購入すること。大学時代にケチると3倍程度の金が掛かるので、大学時代に「通過儀礼」として済ませておくこと。
また先々の事を考えると、素材作成ソフトやプロ用のコーディング環境も必要になってくるので、統合環境は必須。先々の事を考えると、お買い得。
ここら辺で頑張ってお金を工面すること。主な手段としてはお年玉、親のすね、アルバイトなど。お勧めは7で後述。
どうしても統合環境なんてお金を用意出来ない人も、せめてFlashとFireWorksの最新版だけは購入すること。最後は親に泣きつくこと。
Flashの習得はびっくりする位簡単なのでサクサク覚えること。お勧めなのは勿論この本
勉強の為に紅白Flashなども目を通しておくこと。
5.FireWorksを習得してオリジナル素材を作れるようにする。
自分で素材を作れる必要がある。
素材サイトだけでは物凄く表現の幅が狭いので、必要な素材を作れる程度はFireWorksの使い方を覚えること。
FireWorksは、二つの事を覚える必要がある。
1つは基本操作。この習得はやっぱりこのシリーズに尽きる。
2つ目は「○○風の素材」の作り方の習得。
これは逐一覚えるものでもないので、大きな本屋に行って適当に素材製作用のネタ本を購入し、必要に応じてアレンジしながら手順通り作成すること。
6.FireWorksでTOPページのデザインをしてみる。
ページデザインを通して、ユーザビリティを考える必要がある。
素材だけではなく、どんなメニューをどのように配置し、どのようなバランスでどんな配色で、
みたいな細かい事の積み重ねを1からやること。
勿論、ここでも他のサイトを見てあれこれ考えながら作ってみること。
7.そのお店に電話をして「ホームページ入りませんか?」とダンピング営業をすること。
Webデザイナーとして就業する為に一番必要な「製作実績」を手に入れる必要がある。
実はこれが一番重要
ホームページ製作って、実はかなりの金がかかる。
勿論規模や案件にもよるが、まっとうな所に頼んだら最低100万は掛かる代物。
Webデザイナーになりたい大学生のあなたは、とりあえず構築の為のレンタルサーバーの費用、構築後の更新、サポートなどは除外して、全部込みで5万で請け負う。
5万円という金額設定には理由がある。
まず、規模にもよるが中小企業が大学生に払える金額は、自分の体感的にも5万が限界。10万だと交渉成立のハードルがかなり上がる。
また、5万円あれば統合環境や今までの書籍代などの投資分が回収出来る。
そして最大の理由は、上述したように「製作実績」が手に入るのが最大の魅力。
派遣でもなんでもいいが、人材サイトのWebデザイナーの募集条件を見れば判るが、応募の条件として「製作実績の提出」という一文がない会社はほぼ皆無である。
注意すべき点としては、この「製作実績」というのは商用での製作実績である、という点。
今時新入社員に手取り足取りWebデザインのイロハを教える会社は皆無(実際にデザイン会社さんに電話で聞いてみるといいと思う)なので、事実上これは自力で獲得する必要がある。
なので、製作に没頭出来る、制作会社お抱えのWebデザイナーになる為にはどうしてもこの「製作実績」が必要。
また、「自分でサービス作って自分で営業して売りました。今実際に動いています。」という経験は、
就職活動の上でIT系企業にエントリーする際、強大なPRポイントとなる。(ちなみに自分の場合はこっち)
で、値段交渉する時は笑顔で一歩も引かないこと。これも重要。
8.実際に製作する
クライアントとの打ち合わせを経験し、一人で全部やる経験と、やりとげた自信を獲得する必要がある。
Webデザインは一人だけでは出来ないので、お客様が何が欲しいのかを沢山ヒアリングしながら一緒にWebサイトのデザインを描いていくこと。
その際、そのクライアントが実現したい夢を聞いておくと、その後の製作や折衝がとてもスムーズに進む。
自分はそのクライアントの夢を実現する手助けをしているんだ、と誇りを持って最後まで製作を完遂すること。
その際、期日は必ず厳守すること。
クライアントの担当者のブラウザはちゃんとチェックしておくこと。
契約書の作り方は「大学生で判らないので教えてください」と素直に申し出ること。
出来上がった契約書は熟読した上、不都合な事が書かれていないかちゃんとチェックすること。
9.就職先を探す。
自分の将来をある程度安定させる必要がある。
ここまで来た貴方は、恐らく一人でもそれなりのモノを作れるはずだし、
多分営業なんてお手の物だろう。
後は人材サイトを見比べて、好きな企業に上記のステップをエントリーシートに反映しながら面接を受ければいい。自信が無ければもう1~2個サイトを作ってもいい。
もし就職活動の時期に間に合うようなら、IT系企業に入社してもいいし、営業職になってもいい。
IT系企業に入れば、実製作をする機会は限られてくるが、自分が「クライアント」となるので、配属先が上手くいけばいきなりWebディレクターとして活躍する事も夢ではなくなる。
自分は入社一年目ですが、今はそんな感じで仕事してます。